1.プロローグ
「おい、こんな子供が“器”になるのか?」 やや薄暗い部屋で男は言った。 銀色の、前髪で右目がかくれていて、後ろの髪は腰まであろうかという長髪の男だ。 「ええ……おそらくその子供はこの星で最強をほこるほどの魔法力の持ち主です……」 「そうは見えんがな……」 「もっとも、“器”としてはまだ足りませんがね……」 もう一人の男はかすかな笑みをうかべている。 「どういうことだ?」 「その子供は生まれる際に魔法力を2つに分けられたのですよ……創造神によってね……」 「――ほう……それほどまでに強大な魔法力を持っていたのか……」 「生を受けなかったほうの魔法力は異空間をさまよっています…… まずはそれに生を与えることですね……あなたの役目ですよ……ゼファードさん……」 「ふ……わかったぜ……」 長髪の男は立ち上がり、そのまま空に消えていった……。 |
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